2022年から続いているシリーズも、今年で3回目となりました。今年はテクノロジー系から2冊ノミネートしました。特に生成AIは、日々進化を続けており、ツールの作成には欠かせないものとなってきました。金融教育の講師がメディアや現場において、生成AIをうまく活用することがますます求められるでしょう。
この記事では、金融教育に携わる方を対象に、「授業や教材をもっと工夫したい」「難しいお金の話をわかりやすく伝えたい」「教えたいけれど、経済の仕組みや投資の知識に自信がない」といったお悩みを解決するヒントが得られる作品を紹介します。(過去2年分のリンクも貼っておきますので、ぜひご覧くださいね)
わたしの年間の読書量は、100〜150冊程度(金融教育以外のあらゆるジャンル含む)です。その中から、特にオススメしたい5つ星9冊をまとめました。※5つ星とは:Instagram「おっぴ@読書の備忘録」内評価
『きみのお金は誰のため』
著者:田内学
出版:東洋経済新報社
レベル:★☆☆(初級)
【こんな人にオススメ】
金融業界で金融教育に携わっているあなた
格差社会が大きな問題だと感じているあなた
お金について生活者の視点から伝えたいあなた
サブタイトルは、ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」。わたしが金融教育の書籍で、初めて涙をながした作品です。Amazon「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」総合グランプリ「第1位」受賞作。著者の田内氏が考えるお金の本質とは?を伝えるための物語は、私たちが生きていくうえで、忘れてはならないことを伝えてくれました。まだ読まれていない方は、ぜひご覧ください。
『ポスト資本主義社会』
著者:P.F.ドラッカー
訳:上田惇生
出版:ダイヤモンド社
レベル:★★☆(中級)
【こんな人にオススメ】
技術革新のスピードに圧倒されているあなた
国際社会の向かうところを俯瞰的に考察したいあなた
今、世界が百年に一度の転換期にあると感じているあなた
ご存知マネジメントの父、P.F.ドラッカーの名著です。本作品のキーワードは「知識社会」です。バブル崩壊以降、停滞しつづける日本の国民全員に読んでいただきたい一冊です。転換期を生きる私たちにとってのたくさんのヒントが得られますよ。
『中学3年生の息子に贈る、学校では教わらない「お金の真実」』
著者:安田修
出版:Gakken
レベル:★☆☆(初級)
【こんな人にオススメ】
金融業界に携わっているあなた
わが子にお金の教育を授けたいあなた
何から、どのように、伝えたらよいかを知りたいあなた
機関投資家で15年勤務し、起業コンサルタントとして独立した著者が、自身の子どもに伝えたいという思いから仕上がった作品です。著者の安田氏の想いに共感すると同時に、伝えたい内容もまさに今、思い描いていたイメージとぴったりでした。まずは子育てに携わっている大人に読んでいただきたい一冊です。
『ビジネスエリートになるための投資家の思考法』
著者:奥野一成
出版:ダイヤモンド社
レベル:★★☆(中級)
【こんな人にオススメ】
広く金融業界に携わるあなた
商品・サービスの値上げをしたいあなた
個別株への投資をチャレンジしたいあなた
投資について「究極に本質的なこと」が学べます。学ぶことによって、日々の値動きの不安から開放されると同時に、企業経営やあなたのキャリアに役立つことにもたくさん出会えると思いますよ。金融教育で投資を扱うなら、ぜひご覧ください。
『機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法』
著者:泉田良輔
出版:ダイヤモンド社
レベル:★★★(上級)
【こんな人にオススメ】
プロの銘柄選択について知りたいあなた
成長する企業の共通点を学びたいあなた
チャートの値動きで一喜一憂しがちなあなた
たった5つのポイントをおさえるだけで、「予想」のいらない株式投資法が学べます。著者は、日本生命やフィデリティ投信でポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして活用した泉田良輔氏。現在携わっている、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」、働く世代の資産運用サポートサービス「moneiro(マネイロ)」もとても参考になります。
『2030年不動産の未来と最高の選び方・買い方を全部1冊にまとめてみた』
著者:山下努
出版:東洋経済新報社
レベル:★★☆(中級)
【こんな人にオススメ】
これから家を買おうとするあなた
マンション投資を考えているあなた
返済中の住宅ローンの金利が気になるあなた
家を買うこと、買ったことを改めて考えさせられる一冊です。少子化が進み、空き家が増えているにも関わらず、新築マイホームを取得し続ける(売り続ける)経済がいつまで成り立つのでしょうか。インフレが始まり、日銀の金融政策も分岐点を迎えた今だからこそ、読んでいただきたい作品です。都内の都市開発の歴史やアメリカ、中国の不動産事情が詳しく書かれていた点も大変勉強になりました。
『お金のむこうに人がいる』
著者:田内学
出版:ダイヤモンド社
レベル:★☆☆(初級)
【こんな人にオススメ】
金融教育に携わっているあなた
わが子にお金の大切さを伝えたいあなた
金融業界で働いている、もしくは働きたいあなた
人の暮らしを中心に、とことん「お金とは」を伝えてくれる一冊です。安心して暮らせる共生社会のヒントが凝縮されています。貿易、インフレ、国債、年金問題についても本質的な視点でわかりやすく解説してもらえますよ。金融教育の第一歩に相応しい作品です。
『2035年に生き残る企業、消える企業』
著者:山本康正
出版:PHPビジネス新書
レベル:★☆☆(初級)
【こんな人にオススメ】
GAFAMの次、を知りたいあなた
勤務先のシステムが硬直化しているあなた
非技術系でこれからのキャリアに不安があるあなた
サブタイトルは、世界最先端のテクノロジーを味方にする思考法。ベンチャーキャピタリストでもある著者の山本氏は、グーグルに入社し、現在は日本企業へフィンテックやAIなどのデジタル活用を推進しています。シリコンバレーで目の当たりにしている世界の超最先端の情報がぎっしり詰まった一冊です。
『生成AIで世界はこう変わる』
著者:今井翔太
出版:SBクリエイティブ
レベル:★★☆(中級)
【こんな人にオススメ】
生成AIを効果的に活用したいあなた
生成AIの基本について網羅的に学習したいあなた
これからの仕事やライフスタイルのヒントを得たいあなた
筆者は東京大学の松尾研究室に所属する今井翔太氏。日本の最先端の研究者が技術面だけでなく、生成AIのあり方やこれからの活用方法をわかりやすく解説してくれます。生成AIと共存していくことが避けられないこれからの時代には、必読の一冊だと感じました。