国際比較で見ると、日本はWEF「ジェンダー・ギャップ報告書2025」では118位(148か国中)で2024年版と同じでした。ただし総合スコアは66.6%へ微改善し(過去最高スコア:67%(2015年))、とくに「経済参画・機会」で伸びが見られます。主なスコアは以下のとおりです。
(出典:World Economic Forum「Global Gender Gap Report 2025」)
- 経済参加と機会スコア:56.8% → 61.3%
- 女性の労働力参加率:54.8% → 55.6%
- 上級職員・管理職・国会議員に占める女性割合:14.6% → 16.1%
- 推定勤労所得の男女平等:58.3% → 59.2%
- 政治的エンパワーメント・スコア:11.8% → 8.5%
- 女性閣僚の割合:25% → 10%
また令和7年版男女共同参画白書をもとに【SDGsゴール5】の中核である5.4「無償ケア労働の評価・分担」/5.5「意思決定への参画」を軸に、30〜40代子育て世代の視点から日本の現状は以下のとおりです。
まず5.4「無償ケア労働の評価・分担」。政府統計の整理では、全ての都道府県で、家事関連時間は妻の方が210分以上、仕事関連時間は夫の方が180分以上長く、「男性は仕事、女性は家庭」という性別による固定的な役割分担が依然として残っていることがうかがえる、という傾向を示しています。

次に5.5「意思決定への参画」。女性知事4.3%(2/47)、市区町村長3.7%(64/1,740)と、地方の最前線では女性リーダーがまだ少数です。

賃金面でもOECDの推計では、男女賃金格差は2022年の21.3%から2023年の22%へとわずかに拡大しました。OECDに加盟する36 か国中35位となっています。賃金・職務・登用の透明性がさらに求められます。
日本政府は労働市場におけるジェンダー格差の是正に向けて継続的に取り組んでおり、その一環として、『女性の職業生活における活躍の推進に関する法律』の改正法が2025年6月に成立した同法によって2026年4月より、 常時雇用する労働者の数が101人以上の事業主に対し、男女間賃金差異及び女性管理職比率の情報を公表することが義務付けられました。可視化を起点に、評価・昇進パス・職務設計まで運用改善を進めることが求められます。

・WEF「Global Gender Gap Report 2025」
・内閣府『令和7年版 男女共同参画白書(概要)』
・OECD「OECD Employment Outlook 2025: Japan 9 July 2025」
・厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」