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きんざいFP1級実技試験【合格体験記】2021年10月受検生

本&ニュース

これから受検を迎えるあなた、まだ受検を迷っているいるあなた向けに実体験をまとめた記事です。
合格率80〜85%程度の試験ですが、面接試験であり、かつ情報やテキストが少なく、わたしも今の皆さんと同じようにさまざまな不安や疑問を抱えながら受検に挑みました。
とはいえ実際には、過去問題集1冊でほぼ準備が出来ますのでご安心ください。

引用元:一般社団法人金融財政事情研究会ホームページの合格発表


この記事では「チャレンジを決意した方」「試験を受けようか迷っている方」に参考となるよう、FP1級実技試験の基本情報や学習方法、当日の状況などをまとめました。
当試験は、受検料25,000円、学習期間約2ヶ月を経て、200点満点中120点以上で見事合格できます。

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受検を「迷っている」あなたへ

この記事を読んでいる方は、「FP1級学科試験の合格者」、「CFP資格保有者」が大半のはず。
ここまで来たら、頂上まであと一歩。
記憶がたくさん残っているうちに、間髪入れず取得することを強くオススメします。

わたし自身は2009年にCFPを取得してから、受検資格を12年放置し続けたましたが、ようやく決意し2021年10月3日の実技試験に一発合格できました。
受検のブランクは精神的によくないし、非効率。改正点のアップデートに時間がかかり、場合によっては、過去問題集以外にも追加の資料やテキストを揃える必要性も出てきます。

また個人的な感覚ですが、世間一般的においては「CFP」よりも「FP1級」のほうが浸透している気がします。FP1級は通じても、CFPを知らない人はとても多いので、説明するのが煩わしいこともありました。

FP1級実技試験に関する基本情報

  • 平均合格率:80%
    (2021年9月&10月、2022年2月ともに85%)
  • 配点:「相続・事業承継」と「不動産」各100点の200点満点 120点以上が合格
    →出題科目が上記の2分野で決まっています。
  • 受検申請受付期間:2022年4月上旬〜4月下旬
  • 受検票発送日:2022年5月中旬
  • 受検日程:2022年6月上旬〜中旬(土日6日間のうちいずれか半日)
    →1日2グループ(午前・午後)に分けて実施されます。
    • 午前の部:9:50〜13:00
    • 午後の部:13:00〜17:15
  • 合格発表日:2022年7月7日(木)
  • 受検手続き:ホームページより受検申請書を出力し、必要書類を添えて郵送
  • 受検料:25,000円

受検を「決意した」あなたへ

㈱きんざいの過去問題集1冊を繰り返す

オススメのテキストは、『FP技能検定 1級実技対策問題集』。基本、この一冊で十分です。
受検を主催する「一般社団法人金融財政事情研究会」の関連企業である株式会社きんざいが出版しているから間違いなし。
過去3年分の問題から、PART1(相続・事業承継)&PART2(不動産)それぞれ24問、計48問が掲載。解説もわかりやすくまとめてあるので、やればやるほど理解が深まります。

わたしの場合、当テキストを3回繰り返しました。
1日あたり、PART1&PART2それぞれ1回ずつを目標に。3回繰り返すので、×全48問=合計144問解くことになります。1日2問ペースなら学習期間72日、3問なら48日で終わります。

朝早起きしての出勤前、昼食や移動時間の合間、夜は帰宅後などに学習時間を確保します。
わたしの場合、朝は5時に起きれば、確実に1問こなせるので毎日少しでも継続することを最低限決めました。
仕事や家事などで、帰宅後に時間を確保することが難しい場合は、週末に挽回します。

1回目はそれなりに時間がかかりますので、少し余裕をもった計画が無難です。1問解いて、解説を理解するまでに1時間程度かかることもざらでした。
3回目になると、本番を意識して15分で解く、振り返りに15分、1問あたり30分がルーティンとなります。意外と15分は短く感じました。

PART1(相続・事業承継)の特徴

中小企業オーナーからの相談対応が中心です。
おさえておきたいポイントはある程度集約されており、過去問題集をしっかり理解できれば自信を持って本番に挑めます。
※2021年9月10月試験では日程6日間のうち、4日間が中小企業オーナーの設例でした。確率4/6
※2022年2月試験では日程5日間のうち、4日間が中小企業オーナーの設例でした。確率5/6

必須分野は「FPと職業倫理」。
回答例を参考に、自分なりの答え方を事前に用意しておくと安心です。わたしはどんな設例でも「インフォームド・コンセント」で答えられるように各過去問でロールプレイングしました。

PART1での主な出題項目は、自社株の評価方法や移転方法、金庫株、各種贈与制度(暦年、精算課税制度、一括贈与制度)、事業承継税制特例の適用要件とメリット&デメリット、遺留分特例、小規模宅地等の特例、所得税対策としての法人化メリット&デメリットなど。

<ポイント>
・顧客の問題点を洗い出すこと
・問題点に対する一般的に考えられる解決策をたくさんあげること
・上記の中でベストなアドバイスを自分なりに答えを出すこと

PART2(不動産)の特徴

学科試験対策で習得した知識をスムーズにアウトプットできるかがポイントです。
わたしはCFP資格試験からブランクがあったので、TAC出版の『合格テキスト FP技能士1級』の最新版を購入し、基礎知識の復習も合わせて行いました。

PART2では「相談者が業者から受けた提案がベストとは限らない」という視点が必要です。
課題の本質を捉えて、顧客本位の対応することを心がけることが点数獲得につながります。顧客が許容度を超えた提案を受けていないか?もっと有利な解決策がないか?を一緒に考えるスタンスを忘れずにしましょう。

法令上の制限や不動産譲渡に関する各種適用要件は必須。他にも遺産分割の方法として遺言、成年後見人制度、家族信託の違いもまとめておくと安心です。
必ず問われる点は、『各種専門家と関連業法』。過去問題集にてパターンを習得すれば大丈夫です。

<ポイント>
・必要資金を捻出するために不動産を売却するのか?有効利用するのか?
・法制上の制限の影響を確認すること(建ぺい率、容積率、接道義務など)
・譲渡所得税をできるだけ有利にする方法を提案する

過去問以外に抑えておくポイント

試験当日まで役立つオリジナル資料2つ

頭の中を整理するために、頻出キーワードを一覧ですぐ確認できるようまとめました。
贈与関連は2021年度、2022年度と改正されていますので、必ずチェックしましょう。

贈与税の非課税制度(住宅・教育・結婚子育て)

不動産の譲渡にかかる税制特例は、かなりの確率で出題に絡みます。適用条件併用可否を抑えておくと安心です。下記の表は、適用要件において所有期間の短い順に列記しました。

不動産の譲渡にかかる税制特例の概要

理解度を深めるのに役立ったYou Tube3つ

学習が進んでくると「これって多分、こういうことかな?」と、ふとした疑問が出てきます。
そんな時に、お世話になった動画サイトを紹介します。自信100%につながりました!

『自社株相続チャンネル』
その名の通り、自社株専門チャンネル。
難しい用語や仕組みを端的に教えくれます。
各動画は、3〜5分程度が中心。

『【円満相続チャンネル】税理士橘慶太』
さらに理解を深めたい、実務経験を踏まえたエピソードも聞いてみたい。そんなあなたにオススメ。
短いもので5分程度、長くても30分程度の動画です。時間がないときは1.5倍速で観ました。

『せいのFPチャンネル』
FP合格のテクニックや対策だけにフォーカスしたチャンネル。実技試験(面接試験)の動画もあるので、ぜひご覧くだいね。本番当日までの流れがとても具体的にイメージできました。

最新の法改正対策(念のため)

2021年11月1日より、「金融商品販売法」が「金融サービスの提供に関する法律」に改称されます。
縦割りだった銀行・保険・証券においてワンストップサービスの最適化第一弾がスタートします。背景と特徴は抑えておくと良いかもしれません。PART1の「FPと職業倫理」に該当します。
※実技試験は原則として、試験日現在施行の法令等に基づくと明記しています

引用元:経済産業省ホームページより

当日体験したこと&感じたこと

受付は集合時間の15分前からと案内されていましたが、30分前に到着してみると既に半数の受検者が入室していました。服装については、男性皆スーツ、女性もビジネススタイル。

わたしは午後の部だったので、まず大部屋にて13時からガイダンス始まりました。10分程度で説明が終わり、20分ほどそのまま待機。13時30分に、12名くらいのグループにわかれ、別室へ。この12名を半分にわけ、6名は最初PART1から、残りの6名はPART2からスタートします。

一組目(PART1とPART2からそれぞれ一人ずつ)は、13時45分に設問配布が開始されました。15分経過後、直ちに面接室へ移動。以降、およそ15分毎に設例配布→面接のサイクルとなります。
当日会場へ行ってみないと、自分が何組目なのかはわかりません。最終六組目のスタートは、一組目から2時間くらい後になります。
会場ではスタッフの方が一組ごとに、設例確認の席やドアノブなどコロナ対策の消毒を徹底されている様子でした。

部屋に時計はありましたが、設例を見る際には腕時計が必須です。お忘れなく。
面接のとき以外は着席が求められます。トイレ以外の退席は出来ません。飲み物も持参しましょう。
テキスト、過去問題集、オリジナルでまとめたものなどは、紙のものであれば待ち時間中いつでも見ることが出来ました。デジタル機器は一切の使用が禁止されています。

PART1

3組目のわたしは、14時24分にスタート。
ガイダンス開始から約1時間30分が経過していました。設問を受け取り、すばやく目を通して15分間でしっかりメモ書きします。あっという間に終了。

当日の問題は、一般社団法人金融財政事情研究会のホームページで公開されています。

いきなり出鼻をくじかれました(汗)親族外の社員が後継者となるケース。
過去問題集通りに「事業承継税制の特例」や「遺留分特例」などで何なく対応できたと思いきや、ツッコミが立て続けに入りました。
納税資金の問題は解決できても、多額の資産が流出することにより、法定相続人への配慮ができない点を指摘されました。ごもっともです……。

結局答えにたどり着けず、最適解は「MBO」というものがあると面接官の方より、教えていただきました。実際の現場においては役立つ知識なので、最新のスキームを学習しておいて損はないと思います。業界誌などが良いかもしれませんね。

過去問題集に載っていなかった項目として、もう一つ「経営者保証」への対策も出ました。「経営者保証のガイドライン」を活用することが模範回答のようですが、わたしは答えられませんでした。帰宅後確認しましたがこの点においても、中小企業オーナーの支援をするFPなら当然の知識ですよね……。

PART2

16時24分、設問配布スタート。PART1の面接終了から約1時間30分後です。
(待ち時間が非常に長く感じました)
同じく設問を配られてからの15分があっという間。しかも十分なメモが出来ませんでしたが、なるようにしかならないと腹をくくりました。PART1のしくじりを引きずっていた気がします、、、。

サービス付高齢者住宅に移り住みたい母親が、その後の生活費に不安がある。かつ子どもの生活支援も必要になっているケース。現代の一般家庭にあるあるな感じですね。毎月のFPジャーナルの記事に目を通しておくと、似たような事例に出会うかもしれません。

合格のためにやるべきこと3つ

「これで不合格なら、大多数は落ちるだろう」と言い聞かせながらも、、、PART1でのしくじりにより、不安しかありませんでした。受験直前に『せいのFPチャンネル』「圧迫面接もあるけど、わからない時の対応を間違えなければ大丈夫」と聞いていたことが、唯一の希望でした。

「MBO」や「経営者保証」をはじめ過去問題集に載っていなかった解決策、さらにM&Aやホールディングスキームを用いる際の株価評価方法などについては、すべて「わからないので、確認しておきます」の連発でした。

受検で求められる合格ラインの目安は「顧客本位であること」「相談内容の問題点を的確に把握できていること」がまず重要で、完璧な解決策までは求められていないようです。

まとめると、
・過去問題集をしっかり学習する。
・過去問題集で疑問なことがあれば、テキストやYou Tubeで解決する。放置しない!
・相続・事業承継や不動産オーナーからの相談について最近のトレンドを研究する。

(業界誌や関連動画で対応)
以上3つが出来れば、絶対合格できます!

下記noteにて、過去問題集には十分に解説されていないキーワードを列記しています。
合わせてご覧いただくことをオススメします。

【2021年10月3日】 FP1級実技試験に向けて直前対策|「SDGs金融教育」アドバイザー おっぴ
過去問題集に取り組みながら、疑問点を少しでも減らしたいところ。 理解を深めるために、まとめてみました。 ※2021年9月時点の記事内容です 【直前対策①】2021年度改正点 住宅資金贈与および教育資金と結婚子育ての一括贈与が、今年度改正され...
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