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マンションは買うべき?借りるべき?

お金のはなし

ある中学生が、「一流芸能人ならマンションは賃貸じゃなくて、最上階を買って当然でしょ?」と聞いてきました。非常にいい質問ですね!

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なぜマンションが必要か?

買う、借りる、2つの選択肢。どちらが良いかはその目的や働き方、お金に対する考え方にもよります。マンションの購入金額や家賃はその土地の価格や人口推移、つまり「需要と供給のバランス」による影響を強く受けます。まずはこれらの状況を把握し、買った場合と借りた場合の違いをまとめましょう。

令和2年の国勢調査速報によると、2015年~2020年の人口増加率が 10%以上の市町村は10市町村で、人口増加数が最も大きい順に、東京都特別区部の 47 万2千人で、次いで福岡県福岡市(7万5千人)、神奈川県川崎市(6万4千人)、大阪府大阪市(6万3千人)、埼玉県さいたま市(6万0千人)、などとなっています。

令和2年国勢調査速報

引用:総務省統計局より

令和3年の地価公示価格では、住宅地の全国平均は平成28年以来5年ぶりに下落に転じています。三大都市圏については、住宅地平均は東京圏が平成25年以来8年ぶりに、大阪圏が平成26年以来7年ぶりに、名古屋圏が平成24年以来9年ぶりに下落、地方圏では上昇を続けた地方四市(札幌市、仙台市、広島市および福岡市)の上昇率が縮小となりました。

令和3年公示価格の概要

引用:国土交通省不動産・建設経済局

マンションを買う

購入する目的は「自ら住むため」、もしくは「資産運用として賃貸に出す」、「将来の値上がりを期待して買う」、などです。マンションを買う場合は、購入金額を自己資金から捻出するか、ローンを組んでまとまった資金を準備するか、どちらかもしくは併用してお金の準備をする必要があります。

「資産運用として賃貸に出す」とは、例えば3,000万円で買ったマンションを毎月10万円で貸すことができたとします。10万円✕12ヶ月✕25年=3,000万円となります。25年で購入金額の3,000万円が回収できます。25年経った時点でも中古マンションとしていくらかで売却することもできるので、儲けとなります。もっと高く借りてもらえれば運用効率がよくなります。具体的には諸費用や毎月の経費、ローンの金利などを含めて物件ごとにきちんと試算をして検討しましょう。

「将来の値上がりを期待して買う」場合の例としては、人口が増える見込みが当面あり、またマンションの供給戸数も比較的少ない地域です。買ったマンションを短期間で売却しても、値上がりにより儲けを期待できます。売却の際には5年を超えるか超えないかで課税される税金も異なりますので、出口戦略も抑えておく必要があります。

マンションを買う時にはある程度の諸費用が必要(購入金額の5〜10%程度が目安)で、その後毎月駐車場代、エントランスやエレベーター、廊下などの共有部分を快適に使えるように維持していくための管理費、修繕積立金などの保有コストが発生します。また所有者は各マンションの管理組合に所属する必要があり、外観や共有部分を大規模に修繕などする場合には、話し合いにより一定数の決議が必要になります。

自ら住むために買う場合には税制面で賃貸より優遇されており、購入資金として父母や祖父母から援助を受けた場合には、「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」があり、ローンを組めば毎年「住宅ローン控除」の適用があり、所得税の還付を受けられます。

投資目的で購入した場合には、市場ニーズを十分に調べておく必要があります。「市場ニーズ」とは、不動産価格の推移や人口増減、世帯に対する供給数などです。不動産価格は商業地や観光地などは一時的に加熱している場合がありますから注意が必要です。あくまでもこれから住む人の立場になって、各行政の都市計画などを参考にするとよいでしょう。

とりあえずは住む目的で買うけど将来、「仕事の都合」や「ライフスタイルの変化」で引っ越す可能性があるなら同様の考え方を参考にしておくことも一つです。

マンションを借りる

借りる場合のメリットはいつでも引っ越しができるという点です。最初の契約時に仲介手数料や敷金さえ払えば、あとは毎月の家賃、駐車場代、管理費など決まった金額を支払うだけ。「とりあえず住んでみたけど気に入らない」、「収入が減ったので家賃の安いところへ引っ越したい」、「家族が増えて手狭になったので部屋の広い&多い物件へ移りたい」、など暮らしの変化に合わせて身軽に移り住むことができます。

将来、相続や遺言などで住まいをもらえない限り、老いても家賃を払い続けていくことは忘れてはなりません。例えば年金や貯金を取り崩しながら、サービス付き高齢者賃貸マンションを利用する計画も一つです。

全体像をまとめてみる

マンション買う場合には目的が3つ。

  • 自分が住む
  • 資産運用として賃貸する
  • 値上がったタイミングで売却する

借りるなら基本、自ら住むだけの話となります。それぞれの「取得コスト」と「保有コスト」を以下にまとめました。

取得コスト保有コスト税金の優遇
マンションを買う登記費用
印紙税
抵当権設定費用
(ローンの場合)
ローン手数料
仲介手数料
(物件による)
固定資産税
駐車場代
管理費
修繕積立金
火災保険料
金利
(ローンの場合)
贈与税の非課税制度
住宅ローンの所得税控除
マンションを借りる仲介手数料
敷金・礼金
家賃
駐車場代
管理費
火災保険料
(家財と借家人賠償のみ)
なし

これらを知っておくこととが重要です。セカンドライフに向けても住む場所について資金面での対策や備えがあれば万全です。

働き方で選択してみる

コスト最優先で買う、借りる、を判断するなら物件状況に合わせて、「取得コスト」と「保有コスト」を比較するだけ答えは導けます。

これからの日本の未来を考えると同じ場所で同じ仕事をし続ける人は、今よりずっと減ってくるはずです。それをふまえ今回お伝えしたいことは、

  • ライフプラン、生き方をベースにする
  • ライフプラン、生き方をベースした「働き方」を選ぶと住める場所が決まる
  • 働き方(経営者、個人事業主、会社員等)で収入が決まり、住める場所のマンションを買うか借りるか判断する

という流れになります。

冒頭の芸能人で例えるなら、最初は収入が不安定なので賃貸で住み始め、ある程度仕事がうまく回り始めたら、将来売却することを視野に入れて手頃な物件を買ってみる。さらにステップアップできれば、売却資金を元手に高級マンションの最上階へ引っ越すというパターンがあるかもしれません。他にも仕事の対応はオンラインや出張で対応し、地方や田舎での暮らしをベースに、資産運用のみを目的としてマンションを複数購入し、不労所得もしっかり確保していく生き方も一つです。

マンションを買うか、借りるか、は生きる手段の違いです。まずは「自分らくし生きる」ということを起点にしてみる、キャリア形成(業界や業種、働き方)を考えてみる、こんな観点から判断してみてはいかがでしょうか。

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