金融庁のNISA口座利用状況調査(2021年3月末時点)によると、30歳代が101万口座開設と最多。直近3ヶ月では20万口座も増えており、増加率においても24.3%で年代別のトップです。今回は、気になっているけど始められないあなたに、つみたてNISAの「イメージあるある」をお伝えし、不安を解消します。
「リスクがあるから、やらない」
「リスク」ってなんですか?
「リスク=危険」と思っていませんか?
リスクは、「不確実性」です。確かに銀行の預金と株式を比較すると、後者のほうがリスク(=不確実性)は大きくなります。現金の1,000万円は10年経っても、20年経っても1,000万円(金利は考慮せず)。株式を1,000万円で買ったら10年後値上がりするか、値下がりするか、わかりません。
では、現金1,000万円を持っていて、10年後も1,000万円なら安心ですか?
その考え、「けっこう危険」です。
日本は肉や野菜などの食料や加工品の原材料、石油や石炭、ガスなどのエネルギー資源の大半を海外からの輸入に頼っています。食料自給率は生産額ベースで66%、供給熱量ベースにすると38%まで落ち込みます。エネルギー自給率に関しては11.8%とさらに低水準で推移しています。
日本の経済力が外国と比較して、弱くなると日本円の価値が下がります。すると、食料品やエネルギー資源を同じ値段で譲ってもらえなくなります。もしくは今後、東南アジアやアフリカの途上国が発展し、日本以上に物資の輸入が盛んになると、日本は今までよりも高いお金を払ってでも食料やエネルギーの確保に迫られます。
日本円の価値が上がっていれば負担感は少ないですが、初任給が20年以上も変わっていない日本の現状を考えると、リスクヘッジが必要です。日本円以外の資産の一つとして、外国資産や海外の通貨へ分散しておくことが有効です。政府も令和3年6月末時点で1,376,478百万円ドル(1ドル110円換算で151兆円)の外貨準備をしています。
「株はギャンブルだから」
株式投資はギャンブルではありません。つみたてNISAは、ドルコスト平均法(次項で説明)によって、リスクを抑えられます。また投資期間が長いほどその効果があることから、できるだけ若いうちに始めることを絶対にオススメします。
ギャンブルとは、
より価値のあるものを得ることを目的に、自分にとって価値あるものを危険にさらす行為」です。そしてこの行為に伴う興奮(期待感あるいは達成感)や非現実感を一人であるいは友人らと味わうことを目的とするギャンブルをレジャーギャンブルあるいは社交的ギャンブルと呼びます。勿論その場合には一定の対価を支払うことになります。ほどよく楽しむことにより、生活に豊かさが加わるわけです。多くの方はこのようなギャンブルのプラスの面を楽しみ、上手く付き合っていることと思います。
引用:JRA日本中央競馬会ホームページより
つまり、ギャンブルは遊び、勝敗を楽しむゲームのこと。すぐに結果が出ます。
株式投資とは、
企業がお金を集める方法の一つ。株式を購入(企業に資金を提供)した「株主」は発行会社の出資者(オーナー)の一員となります。株主は、企業に出資する対価として、株主総会で議決する権利(議決権)や配当金・株主優待を受け取る権利などを得ることができます。
引用:みずほ証券ホームページより
ギャンブルとは違いますね。
応援したい会社に出資することであり、事業拡大や業績アップを期待する行為です。投資したお金が世の中の人の役に立ちます。企業が事業に失敗すると、株の価値が下がったり、投資したお金が回収できなくなるいっぽう、株式投資の魅力は「値上がり益(キャピタルゲイン)」。株価が安いときに購入し、値上がりしたあとに売却すればその差額が利益になります。
対象となる会社がある限り(つみたてNISAならファンドがある限り)、投資・運用し続けることができます。ギャンブルのように短期のゲームが繰り返され、毎回損益が精算されるわけではありません。
「リーマンショックで大損した」
アメリカのサブプライム住宅ローン問題に端を発する金融市場の混乱により、2008年9月に金融資本市場全体の危機に発展し、米欧の金融システムが機能不全に陥った出来事をリーマンショックといいます。こうした危機は、全世界に直接、間接に影響を及ぼしました。
当時慌てて手放して、株式投資をその後やめてしまい、損したままになっている人に多い声です。つみたてNISAは毎月買い続ける投資方法。この手法は、「ドルコスト平均法」をいい毎月一定額で買い続けます。とっても素人向けの手法です。価格が安いときにこそたくさん買い付けることができ、値上がりのタイミングを待って利益を狙うことができます。リーマンショックのときに買い続ければ、現在の平均買付価格をグッと抑えられました。
日経平均株価は30年周期で変動しています。長期で投資し続けるメリットは、値上がりのタイミングが何度も訪れること。
NYダウ平均株価は長期間でみると、右肩上がりです。国ごとではなく、世界経済の規模拡大と同調しているようにみえます。
まずは、月額500円から始めよう!
今回は、つみたてNISAを始めたいけど、一歩が踏み出せないあなた向けにポイントをまとめました。つみたてNISAは月額100円からできます。※取り扱い金融機関により最低額は異なります。
お財布事情や株価の推移に合わせて、掛け金の変更も毎月可能です。ぜひ口座開設を!