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「金融教育」の役に立つ本はこの8冊!2022年に読んだ5つ星を紹介します

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わたしのブログを読んだ方から、時々「おっぴさんは、普段どんな本を読んでいるのですか?」とご質問をいただきます。コメントをいただくブログ読者の多くは、金融教育に携わっている方やこれから積極的にお金の勉強を推進していきたい方々です。

金融教育って、試行錯誤の毎日じゃありませんか?常に新しい制度や税制をアップデートしたり、もっとわかりやすく伝えるために教材の工夫をこらしたり……。私も皆さんと同様に??自分の経験や知識だけではとても不安です。常にアンテナを張り、大先輩、先駆者の方々を手本にすべく、日々本を読み漁っているわけです。

この記事では金融教育に携わる方向けに「もう少し授業や教材を工夫したい」「小難しい仕組みをわかりやすく伝えたい」「教えたいけど、経済のしくみや投資の経験に自信がない」など、お悩み解決のヒントが凝縮された一冊を紹介します。

ちなみに私の一年間の読書量は、100〜150冊程度(金融教育以外も含む)です。その中から、特にオススメしたい5つ星の8冊をまとめました。
※5つ星:Instagram「おっぴ@読書の備忘録」内評価

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『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』

著者:アンドリュー・O・スミス
出版:SBクリエイティブ

【こんな人にオススメ】
金融業界や金融教育に興味があるあなた
金融用語やお金のしくみをわかりやすく伝えたいあなた
初めて金融教育に携わり、基礎をしっかり復習したいあなた

まずは、金融教育に携わるなら絶対に読んでおきたい一冊です。
基本的な項目をバランスよく適切な分量で、かつとてもわかりやすくまとめられた作品です。高校生が年間を通して、教科書のようにしっかり使ってみる価値もあります。お金、日常生活、世の中経済をうまく関連させて、身近な話として丁寧に教えてくれます。

海外の作品なので、アメリカの税制など多少日本と異なる部分もありますが、気にならない程度です。それよりも「こんなふうに伝える方法があるんだ!」と、関心させられるばかりでした。私たち金融教育の講師がさらに噛み砕けば、中学生を対象とした講座にも十分活用できる内容です。

『15歳から学ぶお金の教養』

著者:奥野一成
出版:ダイヤモンド社

【こんな人にオススメ】
金融教育の講師に携わっているあなた
わが子に投資を教えてあげたいあなた
金融業界で金融商品の販売に携わっているあなた

この作品からは、まさに「教養」が学べます。
これからの時代の生き方や考え方の羅針盤となり得る一冊でした。金融教育=投資教育、ではありません。金融教育のなかの一項目として、投資教育は存在します。

世の中の変化に対応すべく、人生の出発点のヒントが詰まっています。私たち大人が読んでも遅くはありません。お金の価値や役割、経済の仕組みを理解して、人生はもちろん、社会もよりよくしていこうとする、サスティナブルな哲学に触れることができます。

著者の奥野一成氏は、世界でも最大級の機関投資家である農林中金のファンドマネージャーです。シンプルかつ、わかりやすい独自の視点が私はとても気に入っています。

『本気でFIREをめざす人のための資産形成入門書』

著者:穂高唯希
出版:実務教育出版

【こんな人にオススメ】
投資や資産運用の経験に自信がないあなた
金融教育とキャリア教育に携わっているあなた
子どもたちの未来にふさわしい知識を求めているあなた

まずFIREへの道のりが、わかりやすく現実的な方法で紹介されています。「これなら、私にもできる!」そう思わせてくれる一冊です。
金融教育においては「稼いだお金とその使い道」という視点で、授業にて活用できそうです。

「稼いだ金をこのような金融商品で置き換えると、いついくらの資産が準備できるよ」「◯◯歳で◯◯万円、◯◯億円を準備するなら、どういう働き方が近道だろうか?」など、実際に子どもたちの近い将来を一緒に考えてみてはいかがでしょうか?

私はこの作品を読んで、著者のお金に対する哲学にとても共感しました。資産形成は目的ではなく、生き方を実現していくための手段であることが最後のChapterで、熱く語られています。

『村上世彰、高校生に投資を教える』

著者:村上世彰
出版:角川書店

【こんな人にオススメ】
金融教育に携わっているあなた
株式投資を基本から学びたいあなた
子どもたちに投資の実体験をさせてあげたいあなた

かの有名な「物言う株主」村上世彰氏による書籍です。本作では、村上財団の社会貢献活動である高校生への実践教育を題材に、読者へ投資との向き合い方を明らかにし、投資の本質について繰り返し導いてくれます。

実際に50名の高校生へ現金20万円が支給され、8ヶ月間投資をするリアル金融教育です。その間、村上氏は生徒一人ひとりを面談やレポートでサポートします。その実話を読んで「投資って素晴らしい行動なんだ」と気付かされました。そしてなんと支給した20万円を上回った分は、本人が受け取れます。いっぽう元本20万円を割り込んでも、返済義務はありません。

8ヶ月間の活動内容や面談によっては、投資資金がさらに支給されることもあるそうです。こんな素晴らしい金融教育、皆さんも一度はやってみたいですよね(もちろん、簡単にできるわけありませんが)

この作品で村上氏の考えは以下のようにまとめられていました。
<株式投資を行なう3つのメリット>
・世の中の動きを知る
・社会の役に立つ
・お金を増やす
<日本経済停滞の原因>
・大手企業の内部留保
・個人の現預金

『LIFE SHIFT2』

著者:アンドリュー・スコット、リンダ・グラットン
出版:東洋経済新報社

【こんな人にオススメ】
いつも行っている金融教育がマンネリ化しているあなた
自分の経験や知識だけでは物足りなさを感じているあなた
子どもたちとの間にジェネレーションギャップを感じるあなた

新時代における生き方の指南書です。
金融教育を伝える側である私たちが経験したことのない時代を、子どもたちは生きていくことになります。時代の変化の真っ只中にいる私たち自身が「時代の変化」を客観的に分析することは容易ではありません。

もし、金融教育の講義で大人の知りうる人生観だけ進めてしまうと、子どもたちは物足りなさを感じるかもしれません。
いま世の中で起こっていることを知り、どんな世界へと変わっていくか具体的に起こり得ることをこの一冊で掴めます。
当作品は、コロナ禍で書かれており、より具体的、かつ現実的に読み進めることができました。

これまで当たり前だった「学校→仕事→老後」という、ライフステージを根本から変えていく必要性を絶えず訴えています。個人の観点だけでなく、企業・教育機関・政府それぞれに求められる課題も丁寧に整理されているので、読者の立場で仕事に活かせるヒントも見つかるかもしれません。

『世界の99%を貧困にする経済』

著者:ジョセフ・E・スティグリッツ
出版:徳間書店

【こんな人にオススメ】
経済と政治の関わりについて知りたいあなた
アメリカの金融業界の裏事情をみたいあなた
グローバルなキャリア教育が必要だと考えるあなた

2001年にノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・E・スティグリッツ氏による作品です。経済学者の凄みを知りました。現代の市場経済の問題点を鋭くついています。金融教育として私たちが知っておくべき「経済のしくみ」や「政治と金」に関する現実のはなしです。

こちらの作品は、リーマン・ショックやギリシャ危機の後に出版されています。つまり、ちょうど世界的に景気が低迷していた時期です。

今、まさに世界中がインフレに直面し、世界経済が大きく動こうとしています。当時この状況をいったいどれほどの人々が予想をしていたでしょうか。あらためて、これまでの10年とこれからの10年を考えるきっかけとなりました。

『安いニッポン』

著者:中藤玲
出版:日経BP

【こんな人にオススメ】
投資教育を中心に携わっているあなた
グローバルなキャリア教育が必要だと考えるあなた
子どもたちにライフプランニングを提供しているあなた

物価上昇の渦中にも関わらず、日本のモノの値段が諸外国と比べていかに安いかを知ることができます。あらゆる世界の物価が記されています。こちらの作品では、日本は先進国のなかでも数少ない「物価上昇する」が「賃金が上がらない」国、と紹介されています。

これからの金融教育で大切なことは「日本でのモノの価格」「日本での働き方による賃金水準」だけで、子どもたちへ伝えてしまわないことです。グローバルでより多様化した人生を送っていくうえで、知っておきたい実践的なデータが満載です。

お金の知識を伝えると同時に、世界の物価や海外での働き方もごく身近な事柄として、一緒に学んでみてはいかがでしょうか。

『Agenda 家庭基礎』

出版:実教出版

【こんな人にオススメ】
初めて金融教育に携わるあなた
出前授業で高校生を対象に講師を務めるあなた
高校生への授業の教材のヒントを探しているあなた

高校生の家庭科の教科書です。(学校によっては異なります)
2022年4月に成年年齢が18歳へ引き下げられ、人生100年時代の生き方を一緒に考えていく内容が、さらにバージョンアップされています。

家庭科の教科書なので、調理や健康、住まいに関することなど生活全般が盛り込まれている一冊です。金融教育については、最終8章「消費・環境」のカテゴリーで取り上げられています。

以下、学習項目です。
・お金の管理とライフデザイン
・暮らしと経済のかかわり
・意思決定と契約
・購入方法の多様化
・消費者問題
・消費者課題
・持続可能な社会をめざして(1)
・持続可能な社会をめざして(2)
・消費者市民社会

がっつりお金の勉強をする内容ではなく、社会人として最低限知っておきたいことがポイントを絞ってまとめられています。とはいえ、大人でも学びが多い一冊でした。金融教育に携わるなら、普段の授業では高校生がどういう内容を学習しているか、把握しておくことも私たちにとっては重要な役割です。

最後に、これからも金融教育に役立ちそうな本を読み続けていくわけですが、特にフィンテック分野多様化する働き方諸外国の暮らしぶりなどには注目していきたいと考えています。

また我が子と同等、あるいはさらに若い世代の考え方を少しでも理解できるよう小説やエンタメ関連の書籍も楽しく読み漁っています。
普段読んでいる本で「いいな」と、思った作品はおっぴのInstagramで紹介しています。「おっぴ@読書の備忘録」

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