はじめに:NTTの次は「海を渡る」
わが家の高校生の娘が、ついに初めての外国株式(米国株)を購入した話です。
選んだ銘柄は、あの「インテル」です。
以前の記事(高校生の娘がNTT株を買ってみた結果…)でも紹介しましたが、娘はこれまで日本のNTTやソフトバンクの株を保有してきました。
NTT株が下落した際は「お小遣いが減った…」と落ち込んでいましたが、その後、配当金を受け取ることで「長く持っていれば良いこともある」という投資の基本を肌で学びました。
そんな娘が、なぜ今、アメリカの「インテル」を選んだのか?
そこには、父親である私からのアドバイスと、「国策」という新たな視点がありました。
※本記事は投資助言ではなく、家庭での金融教育の実例です。売買は必ずご自身の判断でお願いします。
「1株なら私にも買える!」高校生が米国株を始めた理由

冒頭でお見せした写真は、実は高校生の娘がスクショした画面です。
ご覧の通り、平均取得単価29.46ドルで購入し、(撮影時点では)現在は大きく値上がりしています。
実は娘が買う少し前、まず私自身が24ドル付近でインテル株を購入していました。「国策銘柄だし、底値圏だから大丈夫だろう」と判断し、実際に値動きを見て安心できたタイミングで、娘にも紹介したのです。
米国株は「1株」から買える(ここが重要!)
娘はインテルという会社について、詳しくは知りません。「パソコンに入ってる部品?」くらいの認識です。
それでも購入に踏み切れた最大の理由は、米国株ならではの「1株単位で購入できる」という仕組みでした。
日本株の多くは100株単位での購入が必要で、数万円〜数十万円の資金が要ります。しかし、米国株は1株から購入可能です。
当時のレートでインテル株は1株あたり約4,000円。
これなら、高校生のお小遣いやバイト代で無理なく買えます。
NTTでの成功体験が背中を押した
以前なら「よく知らない外国の会社の株なんて怖い」と言ったかもしれません。
しかし、娘にはNTT株で「株価が下がっても、持ち続けて配当をもらえば大丈夫」という成功体験(安心感)がありました。
- パパが先に買って大丈夫そうだった(親の目利き)
- お小遣い(4,000円)で買える手軽さ(1株投資)
- NTTで学んだ長期保有の安心感
この3つが揃ったことで、娘は「じゃあ、1株だけ買ってみようかな」と、初めての米国株投資に踏み出すことができたのです。
なぜインテル?「栄光と挫折、そして国策」
30代・40代の私たち親世代にとって、インテルは特別な会社です。
栄光の時代(Windows 95)
1993年に「Pentium(ペンティアム)」プロセッサが登場し、1995年に「Windows 95」が発売された時の熱狂を覚えているでしょうか?
「インテル、入ってる」のCMとともに、世界中がインターネット時代へ突入したあの時、インテルは間違いなく世界の王者でした。
スマホ時代の苦戦(時代の波は容赦ない)
しかし、時代は変わります。リーマンショック以降、世界は「PC」から「スマホ」へシフトしました。
実はその時、AppleはiPhoneのチップ製造をインテルにも打診していたそうですが、最終的にAppleは別の製造パートナーを選びました。
ここで大事なのは、「強かった会社でも、時代の転換点で苦戦することがある」という事実です。これは高校生にも伝わりやすく、これから投資を続けていく上で大切な教材だと思います。
今、再び「国策」で追い風が吹く
こうして株価が低迷していたことで、半導体業界にも関わらずインテルは「高校生のお小遣いでも買える(数千円程度)」水準に留まっていました。
そして今、アメリカ政府は「経済安全保障」のために、再びインテルを強力にバックアップしています。
- バイデン政権下での巨額支援(CHIPS法): 米国内での半導体製造を復活させるため、巨額の補助金を投入。参考:米商務省によるインテルへの支援発表
- 国防総省との連携: 軍事用チップを安全に作るための拠点として指定。参考:国防総省と商務省の共同声明
- トランプ政権との合意: 政権が変わっても、「アメリカ・ファースト」の象徴として支援は継続。参考:インテルとトランプ政権の歴史的合意
娘にはこう伝えました。
「株価は安いから、もし半分になっても数千円の損で済む(お小遣いでカバーできる)。でも、アメリカという国が全力で支援しているから、将来的には値上がりする可能性も高いんだよ」
「少額で購入できて、損失も限定的」。これが、娘が購入を決断した理由です。
ゲームもしない娘に起きた「劇的な変化」
インテル株を持ってから、娘の日常に驚くべき変化が起きました。
彼女は普段、オンラインゲームもPCもしません。半導体なんて全く興味がない普通の高校生です。
しかし、自分の大切なお金で米国株を持った途端、こんなことを言い出しました。
- 「今日、円安になったから私のインテルの含み益が増えたかも!」
→ 日本株だけの時は気にしなかった「為替レート(ドル円)」を毎日チェックするように。 - 「マイクロンテクノロジーの株価がすごい勢いで上がっているけど!」
→ 自分の持っているインテルだけでなく、同じ半導体業界の他社(マイクロンなど)の値動きや勢い(モメンタム)までチェックし、市場全体の空気を読むように。
教科書で「円高・円安」を教わるよりも、自分の資産が1ドル動くたびに変動するのを見るほうが、何倍も勉強になるようです。
まとめ
今回のインテル株購入は、単なる投資以上の効果がありました。
- 時代の変化を知る: どんな大企業でも、環境変化の波で苦戦することがある。
- 国策を知る: 国の安全保障と企業活動は、密接に関わっていること。
- 世界を知る: 為替や海外ニュースが「自分事」になること。
NTTで「配当の喜び」を知った娘は、今、インテルを通じて「世界経済の動き」を学んでいます。
親としては、株価が上がるかどうか以上に、ニュースを見て「これ、私の持ってる株に関係ある?」と聞いてくる娘の成長が一番の配当金かもしれません。
これからも、親子で市場の荒波を楽しみながら学んでいきたいと思います。


