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SDGs 中学生向け出前授業 ジェンダーを知り、キャリア教育へつなげる

SDGs

ジェンダーとは、「日々の生活や仕事における男女の性差別」。

今回は令和3年8月の『女性活躍の現状と課題』(内閣府:男女共同参画局)をもとに教育・政治参加・リーダーシップについてポイントまとめました。日本の特徴や諸外国との違いを踏まえて、これから仕事をする業界や国を選択することが、チャンスをつかむにはとても重要です。

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日本の現状は156カ国中120位

政府は、平成11年より「男女共同参画社会基本法」を定め、男性も女性も意欲に応じて、活躍出来る社会に向けて、取り組みをすすめています。より職場に活気、より家庭生活が充実、より地域力の向上が、3つのキーワード。

ジェンダーギャップ指数:令和3年8月『女性活躍の現状と課題』(内閣府:男女共同参画局)より抜粋

諸外国と比較して、医療や社会福祉、教育環境は平均以上です。世界に誇れる日本の強み。先進国のなかでもジェンダー格差は経済、政治の項目で乖離しており、大きな課題です。総合点では156カ国中120位。日本はこれから変わることはできるのでしょうか?

セカイの常識 日本の目標30%は低すぎる

日本は2025年までに、女性の占める割合を民間企業の管理職で30%、国会議員では35%を目標にしています。管理職について、西欧諸国ではアメリカ40.7%、オーストラリア38.7%、スウェーデン38.6%、アジアではフィリピン52.7%、シンガポール36.4%と、日本の14.9%とはずいぶん開きがあります。2025年の日本の目標を既に多くの国が達成しています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構 データブック国際労働比較2019 より抜粋

女性議員比率においては、199カ国中166位となっています。30カ国以上が既に35%を達成、半数以上の国が少なくとも20%以上をクリアできています。

女性議員比率の国際比較:令和3年8月『女性活躍の現状と課題』(内閣府:男女共同参画局)より抜粋

投資の世界でも女性の活躍状況は注目されています。

「ジェンダー投資」は、女性の活躍状況を投資判断とするもの。東証一部上場の企業については、女性役員の状況が公表されています。業種別では、割合の高い順にサービス業62.5%、情報・通信50%、化学50%。低い順では、空運業8.3%、鉱業10.5%、非鉄金属14.3%となっています。(2020年7月末時点:男女共同参画局 女性役員情報サイトより)

日本が今後取り組むべき2つの課題

まずは、組織の改革。日本は欧米諸国と比べ、歴史的にも女性の社会進出が遅れていました。戦後の高度成長を男性中心の封建的な企業・組織が成し遂げた際の、負の遺産(女性は数年で寿退社、その後は専業主婦という風潮。産休、育休復帰後のキャリアポジションがない。男性に優位な年功序列、終身雇用制度など。)が今も色濃く残っています。

目指すべきは、女性特有のコミュニケーション能力の高さも活かせる職場づくり。健康状態や妊娠・出産・育児に合わせたフレキシブルな対応ができる仕事環境にどんどん変えていく。すでに取り組んでいる企業はありますが、日本全体の中小企業までに行き渡るには、まだまだ時間を要すでしょう。バブル世代・団塊ジュニア世代がリタイアするタイミングが分岐点となるのではないでしょうか。

「勤続年数別平均給与」国税庁:令和元年分
民間給与実態統計調査より抜粋

配偶者特別控除の改正により、女性が仕事量を増やせる後押しはありました。しかし育児・家事・介護の分担について、現状は課題が山積み。夫より早く家に帰った妻が、子どものお迎えから始まり、ご飯の用意、お風呂や洗濯、そして名も無き家事をこなし、開放される頃に夫が帰宅する、という家庭も多いのでは。

平成28年に総務省が行った調査によると、日本では、6歳未満の子どもを持つ家庭で、夫が1日に家事・育児などに費やす時間は平均1時間23分で、妻が7時間34分。夫婦での役割分担を実行できる働き方、有料サービスへの転嫁を推進する社会環境などの実現に期待したいところです。

6歳未満の子供を持つ夫婦の家事・育児関連時間(1日当たり):令和3年8月『女性活躍の現状と課題』(内閣府:男女共同参画局)より抜粋

グローバルなコミュニケーション力が活躍の場を広げる

世界と比較して日本の現状から考えると、国内の組織(企業や官公庁など)で仕事をする場合には当面の間、ジェンダーの影響が残るでしょう。安易な業界・会社選び、イメージやブランドだけで就職活動をしてしまうと、時代遅れのジェンダーハラスメントの被害に会うことも。「こんなはずじゃなかった」とジェンダー格差で後悔しないように、事前に業界や企業の情報収集はしっかりやっておきましょう。

個人事業主や経営者になることで、自分が働きやすい職場を作ることも一つ。同じ悩みを抱えた人たちの手助けにもなります。国民全体の意識の変化も必要です。今後の政府の政策にも注目です。

今回は、キャリア教育を通したジェンダー学習をお伝えしました。「やってみたい仕事」、「興味のある業界」で本来の実力が十分に発揮できるか?チャンスが平等にもたらされるのか?把握しておくことも重要です。

「まだ将来のことなんて、わからないよ」という生徒さんは多いはず。私もそうでした。でも30年前の自分に伝えたいことは、「グローバルなコミュニケーション力をつけておくこと。」それは海外での就職やキャリア形成の強みとなり、選択肢&チャンスが格段に広がります。例えば、日本語だけよりも英語発信のほうが、You Tubeは再生回数が圧倒的に伸びます。Twitterは拡散力があります。可能性の違いです。現時点では、残念ながら国内よりも海外のほうが、ジェンダー平等で実力を発揮できるチャンスが多いこと。おわかりいただけましでしょうか。

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