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中高生向けに「年商」と「年収」と「所得」のちがい をわかりやすく解説します!

授業のヒント

「お金をいくら稼いでいるのか?」をあらわすときに、混同されやすい代表的なことばを解説します。年商とは会社の売上高のこと、年収は個人が年間に得られる収入の合計金額にあたります。そして、年商や年収から経費などを控除した残りが所得になります。この記事では、この3つの言葉をわかりやすく解説し、それぞれの意味や関係性を解説します。

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年商とは(決算書、確定申告書)

年商とは、会社やフリーランスなどの個人事業主が1年間でモノやサービスを提供して得たお金の合計金額、つまり売上高のことです。
モノやサービスを買ってくれる顧客(取引先やエンドユーザーなど)から、1年間に受け取ったお金です。

会社(法人)の場合

会社の場合、毎年つくる決算報告書の損益計算書(PL)のいちばん上に「売上高」が記載されます。

引用元:J-Net21 独立行政法人中小企業基盤整備機構

個人事業主(フリーランス)の場合

個人事業主においては、確定申告書の左上のところ「収入金額等」(緑色の枠内)に記載されている金額が年商に相当します。

引用元:国税庁ホームページ

年収とは(確定申告書、源泉徴収票)

年収は、個人が1年間に得た収入の合計金額です。給与所得者の場合、源泉徴収票二段目の「支払金額」に相当します。これは税金や社会保険料が差し引かれる前の総支給額なので、手取り金額よりも多くなります。

引用元:国税庁ホームページ

複数の収入源がある場合

副業や賃貸不動産からの家賃などがある場合、それらも合算した金額が年収になります。この場合は、個人事業主と同じように確定申告が必要になります。
確定申告書の左上のところ「収入金額等」(緑色の枠内)にそれぞれ記入されます。

引用元:国税庁ホームページ

役員報酬がある場合

会社の社長などが受け取る役員報酬も、給与所得になるので源泉徴収票で確認できます。ただし、年収が2,000万円を超える場合、2ヶ所以上から収入がある場合は確定申告書が必要になります。

所得とは(決算書、確定申告書、源泉徴収票)

所得 とは、年商や年収から経費や控除を差し引いた後の金額であり、税金を計算する基準となるものです。

会社(法人)の場合

会社の場合は、売上高(益金)から必要経費(損金)を差し引いた金額が課税所得となります。

個人事業主(フリーランス)の場合

個人事業主は、確定申告書の左中の「所得金額等」に記載されています。

給与所得者の場合

給与所得者は、源泉徴収票の二段目の「給与所得控除後の金額」がこれに該当します。

年商・年収・所得の関係性

年商が多いからといって、必ずしも所得が多いとは限らない: 年商が大きくても、経費がかかれば所得は少なくなります。
年収が高いからといって、必ずしも所得が高いとは限らない: 年収が高い人でも、控除できる項目が多ければ、所得は少なくなります。

年商年収は、得たお金の合計金額を示すのに対して、所得は企業・個人事業主・給与所得者が得た収入から経費を控除し、税金計算の基準となる金額のことです。

まとめ

年商を会社の売り上げ、年収を個人の給料、所得を実際に手元に残るお金と考えると分かりやすいでしょう。

  • 年商: 事業全体の規模を示す指標(主に会社や個人事業主の売上)
  • 年収: 個人が得た収入の総額(給与所得者も含む)
  • 所得: 経費などを控除し、税金計算の基準となる金額

会社や個人事業主の場合は「年商」が事業の規模をあらわすことになります。年商が多いほど、たくさんの人を雇っている、高額な商品やサービスを扱っている可能性があるともいえます。

また社長や個人事業主も含めて、個人の総収入が「年収」です。「所得」は、会社・個人事業主・給与所得者がそれぞれ税金を納めるために経費などを控除された後の金額にあたります。

例え話で理解を深めよう

  1. 会社の年商が100億円の場合:
    • 社長の年収が1億円、1,000万円、あるいは100万円という状況もあり得ます。
    • 年商が大きくても、利益が少なく(所得が少なく)、場合によっては赤字になることもあります。
  2. 個人事業主の場合:
    • 年商1,000万円であっても、経費が800万円であれば所得は200万円になります。

<授業でのポイント>
・年商と年収のちがいを理解できたか確認する
 質問例:「あなたは将来いくら稼ぎたいですか?」
・上記に対する回答について、
 質問例:「その金額は年商ですか?年収ですか?」と聞いてみる
【SDGs】ゴール①、④、⑧

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