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【新大学生の親御さんへ】COOP学生総合共済は入るべき?民間保険で十分?FPが教える「不要な人・必要な人」の最終結論

お金のはなし

合格おめでとうございます! 長い受験勉強を乗り越え、ホッと一息……つきたいところですが、親御さんにはまだ最後の大仕事が残っていますよね。

そう、山のような入学手続き書類と、次々にやってくる振込用紙の対応です。

書類の山と格闘していると、必ず目に入ってくるのが「COOP学生総合共済(大学生協の共済)」の案内パンフレット。「加入をおすすめします」と書いてあるけれど、ふとこんな疑問が浮かびませんか?

  • 「これ、本当に入る必要があるの?」
  • 「民間の保険に入っているから、重複するんじゃない?」
  • 「お金がかかる時期だから、無駄な出費は削りたい……」

結論から言います。 COOP学生総合共済は「全員に必須」ではありませんが、「入っておかないと後悔する人」がいるのも事実です。

この記事では、FP歴16年であり、自身も大学生の子を持つ筆者が、「加入すべき人」と「見送ってもいい人」の明確な判断基準をズバリ解説します。

なんとなく加入して後悔する前に、まずはこの「1分チェック」だけ確認してください。

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結論:COOP学生総合共済、あなたはどっち?「必要・不要」チェックリスト

「細かい説明はいいから、うちはどうすればいいの?」という方のために、まずは結論からお伝えします。 お子様のこれからの生活スタイルと、現在加入している保険(親御さんの保険含む)を確認しながら、以下のリストをチェックしてみてください。

【A】加入を強くおすすめするケース

一つでも当てはまる場合は、COOP学生総合共済(特に賠償責任保険とのセット)への加入を強く推奨します。

一人暮らし(下宿)を始める
親の目が届かないため、生活リズムが乱れて体調を崩したり、急な入院時の対応が遅れたりするリスクが高まります。
□自転車通学をする(または大学構内で自転車を使う)
最も怖いのは「加害者」になるケースです。過去には自転車事故で9,000万円超の賠償命令が出た事例もあります。
□サークル活動や運動部に入る予定がある
高校時代とは違い、行動範囲が広がり、合宿や遠征先でのケガのリスクが増えます。
□インターンシップやアルバイトをする予定だ
就業中のトラブルや、他人の物を壊してしまった場合の備えが必要です。

【B】加入を見送ってもよい(検討の余地あり)ケース

以下の条件が揃っている場合は、必ずしも急いで加入する必要はないかもしれません。ただし、「ある条件」の確認が必須です。

□実家から通学し、生活リズムも親が把握できる
□すでに子供名義の「医療保険」に加入している

(例:県民共済や民間の医療保険で、入院・手術がカバーされている)
□親の自動車保険や火災保険に「個人賠償責任特約」が付いている
【★超重要】 ここが落とし穴です!
→→その特約は「別居の未婚の子」も対象ですか?
→→その特約に「示談交渉サービス」は付いていますか?

もし【B】に当てはまったとしても、「個人賠償責任特約」の条件があやふやな場合は、大学生協の「学生賠償責任保険」だけでも加入しておくのが、FPとしての「最適解」です。

ここが落とし穴!「学生賠償責任保険」だけは必ず確認すべき理由

入学準備でお金が出ていく時期、「医療保険(入院・手術)」については「まあ、若くて健康だから最低限でいいか」と考える親御さんも多いでしょう。FPとしても、その判断はあながち間違いではありません。

しかし、「賠償責任保険(誰かに損害を与えた時の保険)」に関しては話が別です。 なぜなら、自分自身の治療費は貯蓄で賄えても、他人に大怪我を負わせてしまった時の「数千万円〜数億円の賠償金」は、一般家庭の家計を一瞬で破綻させるからです。

特に注意が必要なのが、以下のポイントです。

1億円近い賠償も…。自転車事故は「加害者」になるリスクが怖い

大学生になると、通学や移動で自転車を利用する機会が増えます。 過去には、男子小学生が夜間、自転車で女性と衝突し、女性が意識不明となった事故で、親に約9,500万円の賠償命令が出た判決(神戸地裁)もあります。出典:日本損害保険協会「自転車事故と保険」

大学生協の「学生賠償責任保険」は、こうした自転車事故はもちろん、

  • 「店の商品をうっかり落として壊してしまった」
  • 「アパートで水漏れを起こし、階下の部屋を汚してしまった(借家人賠償)」

といった、学生生活のあらゆるトラブルをカバーしています。

親の保険の「特約」で代用できる?確認すべき「3つの落とし穴」

よくある質問で「家の自動車保険や火災保険に『個人賠償責任特約』が付いているから、大学生協のは要らないですよね?」というものがあります。

理論上はカバーできるケースが多いですが、以下の3点を確認せずに「代用できる」と判断するのは危険です。

① 「示談交渉サービス」は付いていますか?
これが最も重要です。 民間の保険の特約には、「示談交渉サービス(保険会社が代わりに相手と話し合う)」が付いていない(対象外の)ケースがあります。

もし付いていない場合、遠く離れて暮らすお子様が事故を起こした際、親御さんやお子様自身が、被害者と直接交渉しなければなりません。
慣れない土地で、高額な賠償問題を素人が解決するのは精神的にも相当な負担です。 大学生協の保険(国内事案)には、原則として示談交渉サービスが付帯しています。

② 「別居の未婚の子」は対象になっていますか?
多くの個人賠償責任特約は「同居の親族」または「別居の未婚の子」を対象としています。 しかし、うっかり解約してしまっていたり、古い契約内容で対象外になっていたりすることもあります。必ず保険証券や約款を確認する必要があります。

③ 「インターンシップ・アルバイト中」は対象外かも?
一般的な個人賠償責任特約は「日常生活」の事故を対象としており、「業務中(職務遂行中)」の事故は対象外となるのが一般的です。

一方、大学生協の学生賠償責任保険は、正課中(授業・実習)、インターンシップ中、アルバイト中のトラブルも幅広くカバーする設計になっています(※コースによりますが、多くは対応しています)。

【結論】迷ったら「学生賠償」だけでも入っておくのが正解

民間の保険証券をひっくり返して約款を読み込み、「示談交渉はあるか?」「バイト中は?」と調べる手間とリスクを考えると、年間1,800円 or 8,500円でこれらを丸ごとカバーしてくれる大学生協の保険は、非常にコスパの良い「お守り」と言えます。

「医療保障(共済)」は削ってもいいですが、「学生賠償責任保険」だけは加入しておくことを、FPとして強くおすすめします。

COOP共済 vs 民間保険|スペック表には載らない「決定的な違い」

保障内容や掛金の比較はパンフレットを見れば分かりますが、実際に大学生の親を経験して分かった「現場のリアルな違い」が2つあります。

「請求のハードル」が圧倒的に低い

大学生は、基本的に面倒くさがりです(笑)。 民間の保険会社の場合、ケガをしたらコールセンターに電話をして、書類を取り寄せて……という手続きが必要ですが、これだけで学生は請求を後回しにしがちです。

一方、COOP共済は「大学構内の生協カウンター」が窓口です。 授業の空き時間や昼休みに、お弁当を買うついでに「すみません、部活でケガしたんですけど」と相談できます。この「物理的な近さ」こそが、給付漏れを防ぐ最大のメリットです。

自分でお金を管理する「金融教育」の第一歩になる

私がFPとしてCOOP共済を推す隠れた理由がこれです。 COOP共済は、原則として「学生本人」が組合員となり、契約します(掛金の引き落としは保護者口座でも可)。

万が一の時、自分で窓口へ行き、手続きをして、自分の口座に給付金が振り込まれる。 この一連の流れを経験することは、「社会保障や保険の仕組み」を肌で学ぶ絶好の機会になります。親が全てやってあげるのではなく、あえて子供に任せられる仕組みになっているのが特徴です。

FPが教える!「フルセット」は不要?賢いプランの選び方

申し込み用紙を見ると、全ての保障がセットになった「おすすめプラン」に目がいくと思います。しかし、ご家庭の状況によっては「保障の重複」が発生し、無駄な掛金を払うことになるかもしれません。

削るならココ!「就学費用保障保険」は見直し対象】
大学生協のプランには、大きく分けて3つの要素があります。
1.学生総合共済(子供の病気・ケガ)← 基本!
2.学生賠償責任保険(他人への賠償)← 必須!
3.就学費用保障保険(扶養者が亡くなった時の学費保障)← 【要確認】

この「3. 就学費用保障保険」は、親(扶養者)に万が一のことがあった際、学資費用を保障してくれるものですが、親御さん自身がすでに十分な死亡保障(生命保険)に加入している場合、役割が重複します。

「親の生命保険で、大学卒業までの学費はカバーできている」という確信があれば、このオプションを外すことで、年間1万円以上の節約になるケースがあります。 ※不安な場合は、加入しておくのが無難です。

まとめ:年が明けると「お金」と「手続き」の嵐!検討は今のうちに

「まだ3月まで時間があるし、合格が決まってからゆっくり考えよう」 もしそう思っているなら、少しだけ危険かもしれません。

先輩保護者として断言しますが、年が明けてからの3ヶ月間(1月〜3月)は、記憶が飛ぶほどの忙しさです。

喜びと同時にやってくる「魔の3ヶ月」

共通テストが終わり、私立・国公立の受験シーズンに突入すると、親は「受験料の振込」に追われます。そして合格が決まった瞬間から、休む間もなく以下のタスクが怒涛のように押し寄せます。

  • 入学金・前期授業料の振込(期限が短い!)
  • お部屋探し(良い物件は合格発表日の争奪戦)
  • 新生活用品の購入(家電・家具・スーツ)
  • 大学推奨パソコンの購入(意外と高額でスペック選びが難しい)

これらが短期間に集中し、銀行口座から恐ろしいスピードでお金が出ていきます。
わが子の大学入学時には、このあまりの慌ただしさに翻弄されました。 その時のリアルな「お金のはなし」について、別の記事で生々しく公開しています。「これから何が起こるのか」を予習するために、ぜひ一度目を通してみてください。

保険選びは「今」終わらせておくのが正解

3月に入って引っ越し準備でバタバタしている時に、複雑な保険のパンフレットを読み比べる精神的な余裕は、正直残っていません。だからこそ、まだ比較的時間がある今のうちに、方針だけでも決めておくことを強くおすすめします。

本記事のポイント】
一人暮らし・自転車通学・運動部なら加入推奨。
・「学生賠償責任保険」は、示談交渉付きでバイト中も安心なため、これだけでも入る価値あり。
・親の生命保険が十分なら、「就学費用保障」を外して節約するのもアリ。

COOP学生総合共済は、1年ごとの更新です。 「迷ったら、とりあえず環境が激変する大学1年生の間だけ加入しておく」という使い方も賢い選択です。2年生になって「やっぱり不要だな」と思えば解約やプラン変更も可能です。

入学手続きの締め切りは待ってくれません。 後回しにして「加入漏れ」になる前に、今すぐ手元のパンフレットを確認するか、Webで資料請求をしておきましょう。

素敵な大学生活のスタートが切れますように!

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