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『SDGs×金融教育』中学生向け授業アイデアと事例集

SDGs

「SDGsってどう教えたらいいの?」と悩むことはありませんか?
特に学校現場では、「どこから始めたらいいのか」「生徒たちが身近に感じられない」と感じることも多いでしょう。

この記事では、金融教育経験を活かし、SDGsと金融教育を組み合わせた実践例をご紹介します。日々の授業に取り入れるアイデアや、具体的なワークショップの例を通じて、生徒たちが自ら考え、行動できるようになるヒントをお伝えします。

【この記事でわかること】
金融教育とSDGsの関連性
 金融教育を通じてSDGsをどのように教えられるか、そのつながりや効果的な教育アプローチ
SDGsを授業に取り入れる具体的な方法
 中学生向けにSDGsの目標をどのように教えればよいか、実践的なアイデアや事例
授業で使える実践的な教材やワークの例
 SDGsをテーマにした具体的なワークショップや活動例、授業で使える教材の情報

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SDGsと金融教育のつながり

金融教育は「お金」の知識だけでなく、社会や環境とのつながりを学ぶ場です。たとえば、「稼ぐ力」「使う力」「貯める力」「増やす力」の基本を理解することは、SDGsが目指す持続可能な社会の実現に直結します。まずは普段の授業で出てくるキーワードを、SDGsに絡めてみてはいかがでしょうか。

たとえば、社会科で「男女雇用機会均等法」が出てきたら、ジェンダー平等(SDGsゴール5)について具体的なデータを見ながら、生徒たちと意見を共有し合うことができます。(事例を後述しています)

授業でSDGsを教える頻度と工夫

SDGsの授業は単発でも継続的でも可能です。

  • 単発授業:ライフプランを描きながらお金の使い方を考えるワーク。
  • 継続授業:年間を通じてテーマ別に掘り下げる授業。

中学生なら社会科や家庭科の授業、学級活動の時間に組み込むのが効果的です。

単発授業は、1コマもしくは、2コマで時間で広く浅くワークシートを使って学習を完結できます。
たとえば、将来のライフプランを描きながら、お金の使い方と働き方に向き合います。授業終了後には、一人ひとりが様々な気付きを得ることが出来ます。
SDGsの5つのゴールにつながる内容(貧困率の解消/福祉の充実/質の高い教育/ジェンダー平等/働きがいと経済成長)を盛り込むことができます。

[SDGs金融教育おっぴ]人生設計とキャリア教育 | 出前授業どっとこむ - 出前・出張授業を簡単検索!
金融教育とキャリア教育を50分1コマで実践します。将来のライフプランを描きながら、お金の使い方と働き方に向き合います。SDGsの5つのゴールにつながる内容です。

継続授業の場合は、年間を通して複数回実施する方法と、毎年各学年で習熟度に応じて学びを深める方法の2つがあります。

年間を通じた授業を行う場合は、どの学年が適切か学校側で判断します。特におすすめなのは中学2年生です。高校受験までに余裕があり、新入生の入学による意識の変化が見られる時期だからです。

いっぽう、学年を横断して実施することもおすすめです。各教科の学習内容や、生徒の成長に合わせたカリキュラムを設計することで、より深い理解につながります。

日本のSDGs課題を5つのゴールから考える

SDGsは途上国の課題に注目されがちですが、日本国内でも「所得格差の拡大」や「長引く経済の低迷」など、深刻な問題が存在します。さらに、先進国の中で諸外国と比べても、日本はさまざまな面で遅れを取っている状況です。こうした課題を、金融教育の視点から10年後、20年後に日本を担う中学生たちに伝え、一緒に考えることが大切です。ここでは、そのためのポイントを5つに絞って解説します。

①貧困をなくそう

まずは、日本国内における所得格差の問題です。厚生労働省の国民生活基礎調査(2023年)によると、年収200万円未満の世帯は19%に及んでいます。所得格差を知り、生徒自身が将来の働き方や収入について考えるきっかけが必要です。将来の子育てや、消費経済にも大きく影響します。

引用元:厚生労働省 2023年国民生活基礎調査の概況

この問題を金融教育で解決するには、まず一人ひとりが生活に必要な金額を把握することが重要です。その上で、お金を「使う」「稼ぐ」「増やす」という3つの視点から考えることがポイントです。

「稼ぐ」という視点では、業界や職種、働き方によって収入が異なることを理解する必要があります。この考え方はキャリア教育にも直結します。

引用元:OECD Average annual wages US dollars, 2023

世界の中で日本の位置を見てみましょう。
平均の年間賃金について諸外国と比較すると、日本は調査対象国で26 位(46,792米ドル)に位置しています(OECD平均賃金統計2023年)。1位はルクセンブルク、2位はアイスランド、3位はスイスと続き、上位13カ国はOECDの平均賃金を上回っています。

中学生の皆さんは、この結果をどう受け止めるでしょうか。自分が将来どのような役割を果たせるか、何ができるかを考えるきっかけにしてください。また、同じ職種でも働く国によって年収が大きく異なることを知ることも大切です。

【実践ワーク】
①あなたが理想とする仕事とその年収を調べてみましょう。
②その仕事は経営者として?会社員として?フリーランスとして?
③その仕事で得たスキルは、他の業界や海外でも活かせすことができますか?

③すべての人に健康と福祉を

高齢化が進む日本では、年金や医療費など社会保障費が増加しています。

引用元:財務省ホームページ これからの日本のために財政を考える(令和6年4月)

以下のように校正しました:

福祉を推進し、社会保障制度を充実させるためには、国の財政が健全であることが必要不可欠です。その実現には、国民一人ひとりが最大限の力を発揮し、財やサービスなどの付加価値(GDP)をより多く生み出すことが重要です。経済成長が続けば、国の財政に余裕が生まれ、その分福祉に充てる予算を増やすことが可能になります。

【実践ワーク】
①年金や医療保険の仕組みを簡単に説明し、課題を共有しましょう。
 厚生労働省:教えて!公的年金制度 公的年金制度はどのような仕組みなの?
 厚生労働省:我が国の医療保険について
②それぞれの国民負担割合や受給要件の変遷を確認しましょう。
③これらの課題を解決するために、仕事を通してできることを共有しましょう。

④質の高い教育をみんなに

社会科の新しい学習指導要領では、「グローバル化」や「主体的」というキーワードが冒頭に掲げられています。金融教育において特に重要なのは、「お金」について考える場をしっかりと設けることです。金融教育の基礎をしっかり学び、キャリア形成の第一歩を踏み出します。

引用元:文部科学省 中学校学習指導要領比較対照表

社会に出た後で、「お金についてもっと勉強しておけばよかった」と感じたことはありませんか?大人になってから学び直すのは大変ですが、学校で基礎的な知識を身につけておけば、将来役立つ場面が増えるでしょう。今こそ、学校で学べなかったことをしっかり学習する機会を作っておきましょう。

【実践ワーク】
ライフプランを作成し、自分の将来を具体的に考えてみましょう。

⑤ジェンダー平等を実現しよう

諸外国と比べて、女性の管理職比率が圧倒的に低い日本。この課題を議論し、解決策を考えます。
日本は2025年までに、女性の割合を民間企業の管理職で30%にすることを目標としています。しかし、西欧諸国やアジア諸国の現状と比べると、この目標はすでに多くの国で達成されています。

たとえば、アメリカは41.0%、オーストラリアは39.7%、スウェーデンは41.7%、フィリピンは53.4%、シンガポールは40.3%といった数字が示されているのに対して、日本は12.9%(2018年調査より2.0%悪化)。日本のジェンダー平等に向けた取り組みが、いかに遅れているかが浮き彫りになっています。

引用元:独立行政法人労働政策研究・研修機構 データブック国債労働比較2024

さまざまな働き方を考えるうえで、女性の参画や平等なリーダーシップの機会を確保することは非常に重要です。将来、最適な職業選択につなげるためにも、日本と世界の現状をしっかりと確認することが大切です。

これまでの既成概念を見直し、新しい時代を切り開くことを目指しましょう。中学生の方が私たち大人よりも柔軟な考えを持っていることが多いため、一緒に学び合う環境が望ましいと言えます。また、将来働くかもしれない業界や組織が女性にとって働きやすい環境であるかどうかを考える機会を設けることも重要です。同じ職種でも、海外の方が働きやすく、評価されやすい場合があることも知っておきましょう。

【実践ワーク】
①将来、自分の目指す業界のジェンダー状況を調べ、発表してみましょう。
 内閣府:男女共同参画局
②女性が働きやすい、活躍しやすい職場を考えてみましょう。
③なぜ日本は諸外国と比べて、女性管理職比率が低いかを考えてみましょう。

⑧働きがいも経済成長も

日本の経済は20年以上にわたり停滞しています。かつて日本はGDPで世界第2位を誇っていましたが、現在は第3位に位置しており、4位以下への転落が近づいている状況です。まずはGDPの基本的な仕組みを理解し、その上で、一人ひとりが自立して社会を支えていくことの重要性について考えてみましょう。

出典:内閣府 国民経済計算(GDP統計)をもとに作成

【実践ワーク】
①GDPについて調べみましょう。仕組みを学び、経済成長の重要性を理解します。
 「GDPとは?」中学生・高校生にわかりやすく解説する授業で使えるポイント
②日本と諸外国のGDPの変遷を調べみましょう。
 内閣府ホームページ 国民経済計算(GDP統計)
③興味のある業界で注目されている企業やサービスを共有しましょう。

SDGs目標8 働きがいも経済成長も
生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。

引用:SDGs(総務省指標仮訳)

まとめ

SDGsを授業に取り入れるコツは、日常の話題やニュースを活用し、生徒たちが「自分ごと」として考えられる場を作ることです。授業を確保する時間がない場合は、朝や帰りのホームルームを活用しましょう。5分でも10分でも、一人ひとりが自分なりに社会とのつながりを考えられる「簡単なきかっけ」をぜひ提供してみてください。

金融教育は、SDGsの達成をサポートする重要な要素です。「お金の知識」を身につけることが目的ではありません。社会とのつながりへ目を向けることによって、自らのキャリアについても学ぶことが出来ます。

『おっぴのSDGs金融教育』では、10,000人サポートプロジェクトが進行中です。「金融教育」☓「キャリア教育」を組み合わせることによって、一人ひとりがライフプランを作成し、自分の将来を具体的に考え、望ましいキャリア形成を自ら考えるきっかけを提供します。

教職員や教育委員会、PTAの方々からはもちろん、学習塾や民間企業のSDGsご担当者からのご相談もお受けいたします。お気軽にお問い合わせください。SDGsと金融教育を活用して、生徒たちの未来を一緒にサポートしていきましょう。

出前授業のご依頼について|「SDGs金融教育」アドバイザー おっぴ
こんにちは!出前授業講師のおっぴです。 中高生向けに「金融教育」と「キャリア教育」が50分1コマで実践できる授業を提供させていただきます。 SDGsのうち5つのゴール(貧困率の解消/福祉の充実/質の高い教育/ジェンダー平等/働きがいと経済成...

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