サブスク、ネットショッピングが当たり前の時代となり、もはやクレジットカードは必須のアイテムとなりました。電子マネーやモバイル決済、ゲームの課金においても多用されています。
黄金(こがね)ちゃん、金太郎くん、
Netflixを契約したり、Fortniteで課金したりするときにもクレジットカードがあると便利なんだよ。
サブスクでしょ。
どうしても見たい番組があったから、お母さんにお願いしたよ。
僕はコンビニへ行って、
お小遣いでプリペイドカード買ってゲームの課金をしてるなぁ。
そうなんだね。
今はいろいろ制限があるけど、
18歳になったら自分でクレジットカードを持つことができるよ。
便利な機能があると同時に、
トラブルに巻き込まれないように注意する点があるから、一緒に確認しましょう。
政府は2025年にキャッシュレス比率を40%まで引き上げることを目標としています。
もうすぐ達成できそうだけど、
他の国と比べると日本はずいぶんと遅れをとっているね。
・専門知識がなくても、金融教育の授業で活用できる構成となっています。
・クレジットカードの仕組みから作り方、使うときの注意点をまとめています。
・授業で使える実践ワーク例を載せました。
クレジットカードの仕組み
クレジットカードを使うことによって、代金をクレジットカード会社に一旦立て替えてもらうことになります。
お金は「後払い」でいいんだけど、
言い換えると一時的に借金をすることになります。
えっ!借金なんだ。
自分のカードを使うんだよね…
どういうことなの?
銀行のキャッシュカード、デビットカードは預貯金口座にある残高(つまり自分のお金)の範囲内でしか利用できません。クレジットカードは残高がゼロでも、利用(お金を借りること)ができます。
つまり、
持っている以上のお金を使うことができてしまうんだよ。
銀行の口座にお金が無くても、
欲しいものが手に入ってしまう。
そっか。
何でも買えちゃうけど、
後で支払いができる範囲で使う必要があるってことね。
クレジットカードにはこのような「立て替え払い」の他にも「キャッシング」などたくさんの機能があります。
クレジットカードの便利な機能
支払い方法が選べる
クレジットカードでは一括払いの他にも、ボーナス払い、分割払い、リボ払いなど毎月の収支に合わせて、支払い方法が選べます。一括払いは翌月や翌々月に、銀行口座からクレジットカード会社へ支払いを済ませます。またボーナス払いは、次のボーナスでお金が入ったときにまとめて支払う方法です。どちらも手数料はかかりません。
本来、お金を借りるわけだから手数料(金利)を支払う必要があります。
でも一括払いなら、購入代金以外の支払いはありません。
いっぽう、分割払いやリボ払いは手数料がかかります。分割払いは分けて支払う回数を決めるのに対して、リボ払いは分けて支払う金額の上限を決めて利用します。
へぇ〜、分割払いは便利だと思ったけど、
手数料がかかるならよく考えてから使わないとね。
高い買い物をしても毎月の支払い金額を抑えられるリボ払いは、完済までの期間が長くなりがちです。それゆえその間の金利手数料を確認し、収入の変化や突発的な出費などを想定して慎重に選択しましょう。
こうやってみると、
ずっと借金を返済している感覚だね。
そう、まさにクレジットカードを使うことは、
借金をすることなんだよ。
クレジットカード会社は消費者の分割払いからの手数料のほかに、
お店からも手数料収入が入るんだよ。
だから、消費者が一括払いを選択しても、
カード会社にちゃんと収益が入る仕組みになっているわけ。
キャッシング
クレジットカードにはキャッシング機能が付いています。銀行やコンビニのATMへクレジットカードを入れると、限度額までならその場ですぐにお金を借りられます。
金利は年15〜18%(三井住友カードの一般会員 2022年3月15日時点)で、かなり高めに設定されています。電話やWebでもキャッシングの申込みができます。
海外へ行ったときにも、
現地のATMで同様に使えるよ。
でも金利が高いから、
どうしても現金が必要なときだけに限定しよう。
他のローンと比較すると、
とても高い金利が設定されているんだね。
住宅ローンの金利が一番低いなんて意外だな。
使う目的が限定されていないこと、
他のローンと比べると審査が緩いこと、
などの理由で金利が高めに設定されているよ。
誰でも何にでも使える分、たくさんの手数料が取られるわけね。
キャッシュレス化対応
電子マネーやモバイル決済をするときにクレジットカードと紐づけると便利です。現金をチャージするときにスマホからボタン一つで対応できます。コンビニで現金を支払ってチャージしたり、プリペイドカードを買ったりする必要がありません。
店頭でショッピングするときにQRコードの読み取りや、バーコード決済するときにもクレジットカードを登録しておくと、一括払いで手数料の負担をすることなくその場で支払いが完了します。
ほかにもApple PayやGoogle Payへクレジットカードを登録しておくと、
ちょっとした買い物のときに財布からカードを出さずにスマホで支払いができます。
クレジットカードの特典
ポイントが貯まる
利用額に応じてポイントが貯まります。一般的には購入金額の0.5〜1.0%程度のポイントがもらえます。貯まったポイントは提携先のお店やサービスなら、1ポイント1円で使えるようになっています。
お父さんが貯まったポイントを使って、
時々買い物をしているよ。
Amazonや楽天、PayPayなどでクレジットカードを利用すると、
各ショッピングサイトのキャンペーンと合わせて、
ポイントがたくさん貯まる仕組みになっているよ。
付帯された保険
クレジットカードには、自動的に付帯された保険がいくつかあります。それぞれカード会社やカードの種類によって、名称や補償限度額、対象条件が異なります。
主な例を下記にまとめました。
もしカードを落として、誰かに使われたら心配だよね。
保険で助けてもらえるなら安心だね。
ICチップ
セキュリティを向上させるためにICチップが付いたクレジットカードが増えています。カードの偽造や不正利用のリスクを抑え、なおかつサインでなく、暗証番号で利用できるようになりました。
クレジットカードの作り方
大まかな流れは、
1.店頭やWebで申し込み
2.カード会社による審査
3.クレジットカードの発行
となります。
選択肢の中から銘柄(VISA、Master、JCB、アメリカン・エキスプレス、Dinersなど)を選びます。日本国内でも、海外でも圧倒的なシェアを誇るのはVISAです。続いて国内はJCB、海外ならMasterの順です。最初の一枚は、国内外でシェアNO.1のVISAが良いでしょう。
オリンピックやサッカーなどのスポーツ中継でよくロゴを見るよ!
年会費はカードの種類によって無料から有料までさまざまです。一般会員よりもゴールド会員のほうが年会費は高いですが、ポイントの還元率や特典は充実しています。
さらにプラチナカード、ブラックカードなど高所得者層向けのカードもあるよ。
審査基準が高い、もしくは招待制となっています。
一般会員とゴールド会員、どっちがいいの?
初めてのクレジットカードは、
年会費無料の一般会員から試してみたらどうだろう。
使っていくうちにメリット&デメリットを検討して、
ゴールド会員への切り替えや、
他のクレジットカード会社へ乗り換えもできるよ。
あとで変更できるなら、そのほうが無難だね。
申し込みをするときには、カード会社へ支払うために引き落とし口座の設定や暗証番号を登録します。暗証番号は生年月日などのわかりやすい数字は控えましょう。他人に気づかれない、自分にしかわからない番号を設定してください。
申し込みが終わると、カード会社の審査が始まります。申し込み時に申告した勤務先、勤続年数、年収、借入金、住居などの属性をチェックされます。また個人信用情報機関へ照会もされ、過去のローンやキャッシングの滞納、携帯電話の分割払い未納などがあると、否認される可能性があります。
無事に審査が終わると、一週間程度でクレジットカードが届きます。裏面の署名欄にサインをして、有効期限と限度額を確認しましょう。
利用上の注意点
最も注意しなければいけないことは、支払期限を厳守することです。
カード会社からはあらかじめ次回の引き落とし口座へ請求する金額が書面やメールで通知されます。もし指定の支払い日に口座の残高が不足していて、お金が支払えないと個人信用情報機関へ履歴が残ってしまいます。以後、5年間住宅ローンなどの審査に悪影響を及ぼす可能性があります。
支払い期限を守ることは社会の当然のルールです。
それが守れない人は厳しい制裁を受けることになります。
少し軽く考えていたけど、
そう言われると本当に気をつけないとね。
今のうちに知っておいて良かった!
これまでお伝えしたようにクレジットカードは支払い方法に関わらず、お金を借りることです。くれぐれも計画的に、収入の範囲内で上手く使いましょう。銀行口座の残高や毎月の生活費を把握してくことがポイントです。
使いすぎの不安があれば、
あらかじめ利用限度額を低く設定することができるよ。
Webやアプリで確認できます。
またキャッシングはすぐに現金を手に入れる便利なツールだけど、
金利がとても高く現実的ではありません。
トラブルを未然に防ぐためにも、
・不要なカードは持たない
・怪しいお店では使わない(スキミング回避)
・暗証番号は絶対に教えない
以上を忘れないようにしましょう。
カード会社からでも暗証番号を尋ねることは絶対にありません。
いろいろ気をつけることがあるね。
これだけのことをしっかり守れば、
クレジットカードを便利に使えるわけだよね。
万が一、トラブルに遭ったり、覚えのない請求があったら…カード会社へすぐに報告します。
消費生活センターにも相談窓口「消費者ホットライン188」があります。
まとめ
今回はクレジットカードについて、
・仕組み
・作り方
・使うときの注意点
を確認しました。
実際にカードを作るときに、また思い出してほしいですね。
便利を手に入れるということは、
最低限、勉強しておくことが大事なんだね。
大人になったら積極的にクレジットカードを使っていきたいな。
プラチナカードやブラックカードを持てるようになってやる!
キャッシュレス社会に向けて、クレジットカードは必須のアイテムとなりました。一枚カードを持っているだけで、生活に役立つ便利な機能を手に入れることができます。
今回は近い将来、初めてカードを申し込むとき、使うときに困らないように選び方や作り方、注意事項をまとめました。ぜひ金融教育の授業のワンシーンで使ってみてください。
「クレジットカード」に関する実践ワーク
質問例①:銀行のキャッシュカードとクレジットカードの違いは?
【ポイント】
講師の方が実際に持っているキャッシュカードとクレジットカードを見せながら、質問すると興味をもってもらいやすくなります。どちらも同じカードですが、機能は全く違うことを認識しましょう。
また銀行口座にお金がなくても使えてしまうのが、クレジットカードであることも再確認しましょう。
質問例②:クレジットカードの注意点を振り返りましょう
【ポイント】
主な注意点は以下の通りです。
・クレジットカードを使うことはお金を借りるという行為
・収入の範囲内で使う
(銀行口座の残高や生活費の把握がポイント)
・支払い期限は絶対に守る
・暗証番号は絶対に教えない
など
その他生徒自身が気づいた点の意見があれば、歓迎しましょう。
・ブログを読んだけど、授業で話題にするのが不安
・金融教育をどのように進めればよいかわからない
・この〇〇な部分がわからない
そう思われたら、ぜひお気軽にこちらからお問い合わせください。